さて、引き続き 訪問販売 についてお話しします。
アポイントメントセールスやキャッチセールスの場合には、店舗などの事業所で契約に至った場合でも訪問販売のルールが適用されて、クーリングオフの対象になることは前回までにお伝えしましたね。
ちなみに、アポイントメントセールスや、キャッチセールスで取引に参加した消費者を、「特定顧客」といいます。
普段生活しているなかで、特定顧客なんていうワードは使いませんよね。
知らなくても大丈夫ですが、訪問販売のクーリングオフを考えるときは、とっても重要なキーワードです。
それでは今回は、アポイントメントセールスに似ているけど、ちょっと違う?
でもクーリングオフ出来そうだ・・・という取引形態をご紹介します。
A子さんは、近所のスーパーのキャンペーンで日帰りバスツアーに応募したところ、見事当選。
旬の味覚食べ放題のツアーに格安で参加できるということで、いつになく心も躍るような気分で出発です。
当日、バスは最初の目的地「ジュエリー工場」へ向かいました。
見学のつもりでジュエリー工場に入りましたが、熱心に説明を聞いているうちにジュエリーのきらびやかな魅力に引き込まれ、いつしか購入を勧められていました。
12万円のネックレス、ちょっと高いなと思ったけど、自分へのご褒美として納得のうえで売買契約書にサイン。
その後も土産物屋さんや、足湯温泉など、食べ放題ツアーを満喫し、楽しい気分のまま帰宅しました。
しかし翌日、なんとなくネックレスを買ったことに後悔の念が・・・
ネックレスは手元にあるし、代金も頭金1万円を現金で支払い、残金はカード払いで決済しているし、
いまさらだけどなんとかしたい・・・と暗い気持ちになっていたときのこと、
ふと契約書の裏面を見ると「この契約書を受領されてから8日間は書面により契約解除ができます」と赤字で書かれています。
そういえばジュエリー工場で話を聞いているときに「クーリングオフもできますから」みないな説明があった気がしました。
はたして、A子さんはクーリングオフが成立するのでしょうか?
まず、法律的なことよりも、契約時に販売員から「クーリングオフができますよ」という説明がありましたし、
契約書にも契約解除(=クーリングオフ)ができると記載されていますので、手続しても問題なさそうです。
では、もっと具体的に考えてみますと、
A子さんは、バスツアーに参加する前にジュエリーについて勧誘や販売が行われるとは知りませんでした。
ツアー当選のはがきには「ジュエリー工場見学」と書かれていましたので、単なる工場見学だと思っていましたが、
はがきをよく見ると、「工場見学」の記載の下に小さな文字で、
「ここではジュエリーのお買い物をお楽しみいただけます」と書いてあることに後から気が付きました。
一応、はがきには買い物できることが書いてあるし、工場(お店)から呼び出されたわけでもないし、
本当に解約できるのかどうか不安です・・・
こういったケースはよくあるお話で、当事務所でも多くのご相談が寄せられます。
まず、説明が非常に小さな文字で書いてある場合は、説明がされていることになるのか?説明なしとなるのか?
これは程度によりますので、一概には判断できません。
次に、業者(お店)側から呼び出されたのかどうか?
ツアーを企画した旅行会社とジュエリーを販売した業者は別ですが、全く関連がないとは思えません。
しかし、販売目的を隠して、販売業者から店舗へ呼び出されたとも言えません。
工場では無理やり購入させられたわけではありませんが、
一般のお客さんが気軽に立寄れる店舗ではないし、自由に商品を選べる状況ではなかった感じです。
国民生活センターにも同様の事例が掲載されていますが、
バスツアーでの商品購入が、必ずしも法律上の訪問販売に該当するとは言えないということです。
バスツアーに参加して商品購入契約等に至ったケースでは、
当事務所のご相談者様のほとんどが契約書にクーリングオフの説明が記載されており、
クーリングオフが成立していますが、
状況によってはクーリングオフが適用されないこともあるかもしれません。
契約書にクーリングオフ、契約解除の説明が記載されていたとしても、
「訪問販売で契約された方は・・・契約解除できます」
「特定商取引法の適用を受ける場合には・・・契約解除できます」
などと明記されている場合は、ご自身のご契約がどのようなものか
しっかりと把握して判断しないと、思わぬトラブルに巻き込まれてしまうかもしれません。
当事務所では、クーリングオフについてのお悩みやご不安のある方に、より早く確実な手続きのご提案やアドバイスをさせて頂きます。
また、クーリングオフ手続の代行も承っておりますので、お一人での手続きがご不安な方も、お仕事でお忙しい方も、安心してご利用いただけます。
本日も24時間対応しております。お気軽にお電話ください。
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事務所代表 行政書士 平子幸成
投稿者プロフィール
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1977年5月5日生(44才)
行政書士平子幸成事務所/代表
日本行政書士会連合会
静岡県行政書士会
行政書士会清水支部
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